PIERROT 1
【PIERROT】
 
ねえ、ねえ、
死にたがりのピエロの味って、
どんなのだろうね。
赤くて、 トマトジュースみたい?
黒くて、 イカスミみたい?
・・・・・・例えが少しオカシイね。
赤い血なら美味しそうだけど、
黒い血なら、僕、食べられないよ。
 
夢にピエロが出てきたよ。
そこでは僕は、必要とされてたみたい。
色んな人がいたんだよ。勿論キミも居たよ。
一緒に手をつないで、みんなのあとをついていったんだ。
そしたらね、僕――シンヂャッタ。
 
 
 
【WRIST CUTTER】
 
ねえ、ねえ、
やっぱり僕はイケナイ子?
泣き虫な僕は嫌い?
だってね、皆僕がイラナイの。
ちゃあんと知ってるんだよ。
キミもね、嫌いでしょう?
でも、僕に何かあったときに
すぐ来てくれるのはキミだけだから。
だからね、キミを繋ぎ止めたくて。
自分の手首を、切るの。
痛いのは嫌いなのにね、僕。
そしたらキミが手当てしてくれる。
病院はヤだよ、キミじゃなきゃ治らない。
病院はヤだよ、キミと離れちゃう。
ねえ、ねえ、聞いてる?
 
ねえ、ねえ、
どうすればキミに好かれるのかな。
一度でいいから「スキ」を下さい。
月に願っても無駄だから、
今宵も僕の血で染め上げる。
手首と同じ、赤色に。