一.
こつん こつん 石で叩くような雨音
こつん こつん 戸を叩くような雨音
窓を開ければ 冷たい雨と共に「こんにちは」って
小さな妖精が 小さな帽子上げて会釈
二.
木の葉に揺られて 眠くなった私は
大樽の上で 強い匂いに包まれることにした
人間も同じように 大樽にもたれかかっているから
私もその真似がしたくなっちゃったの
三.
何処まで高く飛べるだろうか
鳥でも 人間でもない 足も 羽も弱い
そんな私は何処まで高く飛べるだろうか
空想の中では私は 太陽をも超えられる
四.
頭から水を被る ああこれは水遊びだからね
水百合を摘んで さて誰にあげようかしら?
花になったナルキッソスに会いに 足を伸ばして出掛けると
私はそこに花束を置いて帰った
五.
真っ暗な森の中 何かが鳴いて訴える
光も無いのに 果たしてどうやって出ようというのか
振り撒く妖精の粉も この深い森の中では効かず
結局茂る木や葉に埋まり 死んでいくのだ、生命有るものは