痛いよ 辛いよ
そんな言葉、神様なんかに届かない。
人間の魂は何処に行くのだろう。
穢れなき海を渡って
僕らの知らない世界(エデン)に行けるのかな。
炭になって人と呼べないようなものでも
生前は同じ世界にいたなんて
信じられる?
信じられない。
ねえ、神様はどうして
罪の無い人を殺してゆくのかな。
代わりにあいつが、
なんて思うことがありすぎる。
救われるのは悪い人。
痛い目を見るのは良い人。
世間の法則
変えることは出来ないし、
変わることも無いんだろう。
腐蝕した樹の幹を
つんと押して崩すように、
人の命も
つんと押されて揺らぐ。
その位に軽いもの。
僕の命も軽いもの。
死にそうになる度に
死に損なう度に、
生きることも死ぬことも
怖くなってくるから。
乖離した記憶から
未来を予測したとき、
銃弾が顳(こめかみ)を貫通するような
鈍重な痛みが襲う。
肺が空気を求めて騒ぐから
息をしてたのに
なんだってこの身体は不便だ。
安直なアンティークのよう。
痛かったでしょ?
辛かったでしょ?
神様なんて考えない世界で
一休みしてきて下さい。
……僕はもう少しだけ
神様について考えてきますから。
「神様は居ない」と
今から結論付けてしまったら、
僕は生きられなくなってしまうから。
人間の魂は何処に行くのだろう。
穢れなき海を渡って
僕らの知らない世界(エデン)に行けるのかな。