愛を冠したラプソディー

嫌いと好きを繰り返して、
わたしはずっと深い場所へ。


貴方の笑顔の為ならと
どんなに遠くても飛んでいけたはずなのに、
今じゃ羽はよれていて
近場すらも届かない。

貴方は太陽に近いから、
わたしのみたいな拙い羽は
その熱で蝋が融けて
真っ逆様なんだよ。


好きだから傍に居るのが当たり前だと
勘違い野郎もいい加減にね。
大嫌いだから傍に居るのよ
最期を見届けるのはわたし。

最後の最後まで優しいフリして
最後の最後で裏切り行為、
「バイバイ」なんて可愛いものでしょ
「ざまあ見ろ」くらい言わせてよ。

それでも何故か貴方は嫌いになれないから、
貴方だけ攫って安全な土地へ。
「隣に居ないと嫌ぁよ」なんて
猫被りの甘い声。

うわ、寒気がする
鳥肌が立つ。

それならそうか、
貴方の白い首筋に光るものでもあてて
似合わないルージュで染めるのも悪くないかも。
我ながら狂愛じゃない?

失望に絶望を、
追い討ちかけて自我を見失わないようにして
だってそのままの貴方が好き。
世界を敵に回しても譲れないわ。


嫌よ嫌よも好きのうち?
呆れた冷めたなら正解?
行く道を見失うならわたしは
これ以上付いていけないからね。

一度羽ばたかせた小鳥を
手製の弓で射落としてみせよう。
自由に絆され喜ぶその一瞬のちに
得たもの全て消えるから面白い。

わたしのこと嫌いになった?
正直見限ったんでしょ?
束縛依存そんな簡易な言葉で括るほど
わたしの愛(それ)は小さくない。


足元から沈むような感覚に
若干狼狽えたから腹いせに
貴方も道連れ、と
ちょっとおちゃらけて言ってみた。

その声は虚しく空間に落ちたのだけど。


嫌い嫌い、
だけど貴方は好きよ。
喉元に自慢の牙を突き立てて
貴方の愛ごと吸い込みたいくらいに。