見えなくなった大空の色、
今は蒼ですか?
遠くで鳴り響く鐘の音は
絶えず僕を呼ぶ。
諦めた道も
捨てきれない夢も
全部抱いて此処まできた。
途中で置いてきた革の鞄には、
愛想を尽かした思い出を詰めて。
あの光輝く教会に届くだろうか
この足も、この手も
この想いも。
ボロボロのただの布切れを纏って
それを綺麗な洋服に幻で魅せる。
嘘も真実に、
涙も笑顔に。
見えない翼は今大きく広げ
そして羽ばたく。
純白なのか漆黒なのかは分からないけれど、
そんなもの関係ないと言って。
背伸びだって構わないだろう?
表情の見えない僕に問いかければ
笑った気がしたのは気のせいか。
僕の後ろを付いて来る僕と手を繋ぎ、
鐘の音を頼りに進んでいく。
空気が揺れるのを合図に、
昔見た情景を手掛かりに。
見えなくなった鐘の色は、
今も黄金ですか?