山の向こうに線が入(い)る。
麓のニンフは川で踊る。
木元のエルフは弦を弾く。
二重三重、幾多も重ねたグラデーション。
背に乗せ舞(おど)るは 薔薇(そうび)の蝶々。
緑(あお)きの草樹に 隠れて昼寝。
黄色の帽子の 少女のわたし、
微睡むままに夢を見ん。
微風に揺れて目覚めれば、
視界に入るは蝶々の背。
煌めく姿を欲しては、
追いかけ追いかけ迷い込む。
青い霧に紛れ行き
紫の雲も覆われて、
河辺のニンフと戯れる
ちっちゃな蝶々(それ)を見つけたの。
にこりと笑った彼女たちに
石飛び 岩越え 駆け寄った。
気付けば日も暮れ —— 此処は何処?
薔薇の蝶々も空の色彩(いろ)。