例え話
「例えば」とか 「もしも」とか 君に沢山言って
困らせてしまったね
本当は辛かったろ?
 
何年も前だから 上手く思い出せないよ
初めてのケンカには
戸惑いばかりが残った
 
 
いつかは映画みたいな恋が
出来ると思ったよ……馬鹿みたい?
こんなに離れて 分かったことは
この空は 予期せずに
冷たく見えるんだってこと
 
 
夕焼けから 思い出すよ
笑い合ったり 泣き疲れたとき
沢山あったね
だけど僕には
何でかな、悲しくなるんだ
もう言葉 伝えられないのに
 
 
「例えば」と口にした その時の悲しそうな
微笑みが 心から
離れられないんだ
 
「この世から この僕の存在が無くなって
君一人 置き去りに
してしまった時は こうして」
 
 
泣くのは はじめの一日だけ
他は笑っていて……お願い
この心臓もくれてやるから
空を見て 思い出して
朱(あか)が良く映えるんだってこと
 
 
寄り添って過ごしたね 寒さとか凌いだり
夢を見た日の朝は
ずっと語り合ったんだ
 
 
今でも細かい所までだって
覚えているんだよ……君も?
思い出にしか なれないとしても
記憶から 消さないで
空から見守ってるから
 
 
その隣が知らない人でも
君が笑ってくれるだけで
心おきなく
"さよなら"出来る
ひとりでも君なら行ける
擦れ違う 僕らの澪標(みらい)
 
 
夕焼けから 思い出すよ
笑い合ったり 泣き疲れたとき
沢山あったね
だけど僕には
何でかな、悲しくなるんだ
もう言葉 伝えられないのに
 
 
 
例え話なんて こんなものなんだろう
どちらか居ないような そんな世界は考えられない……