夕凪の時、黄昏の中
夕凪の時、黄昏の中
消えかけた時間が、
まるで巻き戻しを押したように
元に戻った。
 
だけどきっと、
心の傷を幾つも塞いで
僕は何度も繰り返すんだ。
 
「時よ止まれ」
は何度言った?
流れぬ時など満たされもしないのに。
止まった時など意味は無いのに。
 
 
偽って笑っているから、
どうか騙されておくれよ。
そう簡単には無理だろうけど、
見て見ぬフリをしてくれよ。
そうじゃないと、潰れてしまう。
 
一時停止を解除したなら
もう一度それを見ようと思う。
いくら辛くても選んでしまう
選択肢の無い選択。
 
此処でまた逢えるといい。
夕凪の時、黄昏の中。
その笑顔が消える前に。
 
 
……弾かれたネックレスは
僕のトキを乗せて。