僕らは、数えきれない冬を送りました。
僕らは、馬鹿に思うほど傍にいました。
僕らは、勘違いをする程春を見ました。
僕らは、すれ違う度に笑い合いました。
それは、許されざる恋。
それは、叶わぬ恋。
それは、屈折した恋。
ほわりと浮かんだ蜃気楼のように、愛を誇張した世界でした。
僕は、それでも幸せでした。
僕は、切なさも抱えました。
嗚呼、
恋はあの瞬間に燃えて、やはり刹那に散りゆくのでしょうか。
心を埋めた君の温もりを手にせぬまま、刹那に散りゆくのでしょうか。
空が、泣いています。
僕が、泣いています。
つまらぬ理想論を洗い流すように、優しく降り注ぐのです。
そんなことをしても、君の匂いも、君の笑顔も、君の声も消えないけれど。
イルミネーションが酷く目に悪く、僕は思わず涙を浮かべました。
痛いくらいに、涙するくらいに目映いのだと言い聞かせて。
そしてこっそり、一筋だけ涙を落とすのです。
君が僕の誘いに乗って、この公園にやって来る頃には、
その痕は既に消えているように
静かに静かに、軽い涙を落とすのです。
それは、許されざる恋。
だから僕は、笑ったのです。
君のために。
だから僕は、笑ったのです。
君の幸せを望むから。