オルゴール
耳に届くのは微かなメロディ。
静かに記憶をまさぐるような
そんな不思議な表情をしたオルゴール。
 
 
机の上にちょこんとその小さな体で
大きな存在感を醸しだしている。
「ああ、君だ」陽だまりが笑う。
手が届かない陽だまりだけれど。
僕は闇の中に住む者だけれど。
そのオルゴールの音色は一筋の光になる。
 
 
「プレゼント」の言葉の響きは、
僕と君の間を埋めた。
こっぱずかしい、こそばゆい、
「ありがとう」の代わりに。
代わりにこのメロディを。